Case Study

飛鳥地域(明日香村および周辺)台湾向けインバウンドマーケティング事業 ①

2021/10

【いざ明日香へ!】

チームメンバーに大の古代史ファンを抱える私たちのもとに明日香村のインバウンドマーケティングに関する相談が届いた時は、
心震えました。
日本古代史の象徴とも言うべき明日香村の事業に携わることができるかもしれない・・・
心躍るような気持ちで、「ぜひお手伝いしたい」旨を即答したのがコロナ禍前の2019年秋頃です。
しかし、日本人にとっては「アスカ」という言葉の響きは特別なものであり、その歴史的重要度から関心を持つ場所であったとしても、
果たして海外の人々にとってはどうか?という懸念も同時に沸き上がりました。

そこで私たちは以下の理由から台湾をメインターゲットに推薦しました。
・ターゲット母数の観点から 
既に相当な数の訪日客が関西空港を利用して関西エリアには訪れている。
・対日関係や成熟度の観点から
日本に対する好感度、市場成熟度ともに高いため、歴史や文化を題材にできるかもしれない。
・旅行市場の観点から
消費者の旅行会社に対する信頼度が高いため、彼ら(旅行会社)が関心を持ってくれれば誘客機会が得られる。

【デスティネーションとしての可能性】

後は、なにはともあれ台湾の旅行会社が関心を持つかどうか?です。ならば「案ずるより産むが易し」ということで、旧知の旅行会社の中から台湾最大手LIONトラベルのスタッフを2020年2月に明日香村に招聘し、実際にプロの目でデスティネーションとしての可能性を見てもらうことにしました。また特に今回は、旅行企画の観点から「旅行部門担当者」を、今後のマーケティング活動を行う観点から「マーケティング部門担当者」をそれぞれ1名ずつ招聘しました。

明日香へは私たちもサポートで同行し、彼らの反応や見解をリアルに確認していきました。そこでは以下のような情報が得られ、また彼らの反応を確認できました。

・台湾旅行市場に変化の兆し(コロナ前から)
日本へのリピーターが非常に多い台湾。旅行客は新たなデスティネーションを求めている。このため今後は、東京や大阪などの大都市中心から、まだ見たことのない静かなエリア(良い意味で田舎)へシフトしていく(シフトさせる)。 
・企画の観点から
但し新しいデスティネーションは、歴史や文化または体験など、優れた特徴を持っている必要があると同時に、交通の利便性は確保された場所でなければならない(辺鄙すぎてもいけない)。
・明日香村および周辺のデスティネーションとしての可能性
明日香村および飛鳥エリアはこうした条件に合う点が多い。現状、台湾での認知度は無いが、マーケティング活動によっては十分に誘客へ繋がる可能性がある。

【LIONトラベルとの連携開始】

ならば、想定通り台湾市場をターゲットにマーケティング活動を推進しよう!ということで、LIONトラベルに今後の協力を依頼し、事業のサポートをいただくことに。明日香を訪問していた二人は滞在中からSNSを活用して同社の顧客に向けた情報発信を繰り返し行い、帰国後も追加の情報発信やアンケート調査等を行うことで、今後のマーケティング活動の基礎となるデータも収集してくれました。
尚、そこで得られた消費者の反応で特に興味深かったのは、以下のような消費者の反応でした。

・LIONトラベルの二人も体験した「古代食」に対する消費者の関心が高かった。
・「日本の文化巡礼テーマとして観光しに行きたい」との回答が多かった。
・「大都市ではなくて、田舎風景を見たい」との回答も多かった。